日本のカボチャは"パンプキン"ではない!?
アメリカでの呼び名についての豆知識を少々...
まずカボチャの植物学的分類/学名では
・西洋カボチャ:マキシマ種 (Cucurbita maxima)
・東洋カボチャ:モスカータ種(Cucurbita moschata)
・ペポカボチャ:ペポ種 (Cucurbita pepo)
など5種類に分けられます。(日本で栽培されているのは上記3種)
続いて一般的な呼び名についてですが、
日本では英名「パンプキン」と称されるのが普通ですよね。
でも、北米でのカボチャの総称は「スクワッシュ」。
「パンプキン」は、ハロウィーンで使うオレンジ色のペポカボチャ(非食用)のことだけを差します。
じゃあ一般的な西洋カボチャの呼び名は?というと、「ウィンター・スクワッシュ」だそうです。
そしてその逆の「サマー・スクワッシュ」は、未熟果を食べるズッキーニ等を指します。(イエロー・スクワッシュという黄色いズッキーニも一般的)
あと面白いのが、日本からアメリカに渡った西洋カボチャ(えびす等)を「カボチャ・スクワッシュ」「ジャパニーズ・パンプキン」などと呼び、区別して売られることもあるようです。(ややこしい・・・)
では最後に、備前黒皮などの日本カボチャは・・・
トロピカル・スクワッシュ !
ただ、日本カボチャの直接的な呼び名は無いようで、学会等で中南米原産のカボチャ(モスカータ種)の総称としてそのように呼ばれているようです。
トロピカルは、"熱帯地方の"という意味があり、日本(東洋系)カボチャは中南米の熱帯地域が原産といわれています。
因みに、”モスカータ”は”麝香(じゃこう)””ムスク”という意味で、備前黒皮は完熟するにつれてメロンのようなムスクの香りが増します(^^
整理すると、こうなります。
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カボチャ(Squash)
東洋系カボチャ(Tropical squash)
黒皮、鹿ケ谷、バターナッツなど
西洋カボチャ(Winter squash)
えびす、みやこなど
ペポカボチャ(Summer squash, Pumpkin)
ズッキーニ、おもちゃカボチャなど
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最近、備前黒皮を「ゴジラカボチャ」という愛称で呼んでくださる方が増えてきましたが、「トロピカル・スクワッシュ」もなかなか良いと思いませんか?
<参考>2013/10/1 NIKKEI STYLE(電子報道部 河尻定氏) 記事より
2018/4 情報追加・・・北海道農業研究センター 主任研究員 嘉見大助 様